2018.03.30 未分類

折り紙のドラゴン

「ねえ、折り紙でドラゴン作ってよ!」

 

A君は年上のお兄さんのような存在のB君にそうお願いしました。

 

年齢は離れているけれど、仲の良い二人。

B君はいつもA君に優しくしてくれます。

 

「A君、忘れ物ない?」

帰る時間になるとB君はいつも、A君が忘れ物をしないように声をかけてくれます。

B君にとって、A君は弟のような存在。

 

B君は今回のA君の難しいお願いにも、

インターネットや動画サイトを駆使して答えてくれました。

 

パソコンを見て、折って…、をひたすら繰り返し行います。

 

B君は1時間半ほど集中してドラゴンを折り続けました。

 

「A君できたよ!!」

B君の明るい声がフリースクール内に響き渡りました。

 

その声に引き寄せられるように、

A君、スタッフを含む全員がB君のもとへ集合しました。

 

完成したドラゴンがこちら!

 

予想以上に完成度の高いドラゴンを目の当たりにして全員言葉を失いました。

B君はうれしそうに微笑んでいます。

 

「こりゃすごい!!」

A君は感動のまなざしでドラゴンを見つめました。

 

「B君ありがとう!!」

A君は目をキラキラさせてB君にお礼を言いました。

 

 

そしてすぐに、

「ドラゴンを使って遊ぼう!」

という声が上がりました。

 

赤いドラゴンが火を吐き…

 

 

紫のドラゴンに命中!

 

そして勝利した赤いドラゴンは月を見上げ、勝利の余韻に浸りました。

 

 

フリースクールでは幅広い年齢の子どもたちが一つの部屋で一緒に過ごしています。

その中で自然とA君とB君のような、『頼る』、『頼られる』という関係が作られます。

それぞれが自分の役割りを果たすことで、知らず知らずのうちに、成長しているように感じます。

 

今後もフリースクールが安心・安全な居場所となり、彼らのような素敵な関係が少しでも多く作られていくように見守っていきたいと思います。