2025.10.21

【vol.15】「お母さんを守らなきゃ」当時を肯定できなくても、必ず世界が広がる時がくる

ヤングケアラー経験のある”ちょっと先”の先輩の経験談。

ピアサポーターである彼・彼女たちの経験や想いを聞いてみました。

母と弟と3人暮らしをしていたみなみさん。
精神的に不安定な母のサポートや、日々の家事を幼い頃からしていました。
どのような体験だったのでしょうか。

d14b0525e34fa4651527d9fca3b3241a-1779679367.png

ーどんなケアをしていた?

幼稚園年長になるころから、精神疾患を患って寝込みがちだった母に代わり、
一人で薬を買いに行ったり、幼い弟を連れて出かけたり、母の気持ちの寄り添いなどをしていました。 
 
私は5人きょうだいの下から2番目だったのですが、上のきょうだいとは歳が離れていたこともあり、
私が幼稚園の年長になった頃にはみな独立してしまって、母、私、弟の3人で暮らすようになりました。

母は幻聴や思い込みが激しく、事あるごとにマンションの管理人や警察にかけこむような生活を送っていました。

*********************

私が小学生になった頃に引っ越しをしたのですが、そこでも母は周囲とトラブルを起こしがちで。
そのことで傷ついたり不安な気持ちにならないように弟を慰めたり、ご飯のためのお使いをしたりしていました。

中学生になってからは、ケースワーカーさんが母にお願いした手続きを、私が市役所に行って代わりにしたり。

その頃、一度だけケースワーカーさんに「ご飯はちゃんと作ってもらってる?」って聞かれたんですが、
「正直に答えたら通報されて児童相談所に連れていかれる!」と思って、嘘をついてしまいました。

-当時の母への思いは?

小学校低学年くらいまでは、母が周りの人に妄想を話しては悪く言われるところを見ていたので、
お母さんを守らなきゃ、私が笑わせてあげなきゃ」と思っていました。

でもあるとき母が、当時有名だった海外のオリンピック選手と同級生なんだと言い出したんです。
それを真に受けた私は、そのことを学校で先生に話したら嘘だと否定されてしまって。

そのとき初めて、「あれ?もしかして」と、母の精神状態を疑い始めるようになりました。

中学生になってからは、母の言動が理由で学校でいじめられたりもしました。
その頃には、母に対して嫌な気持ちを抱くようになってしまっていました。

*********************

そのマイナスな気持ちが変わったのは、高校生になってから。

私はそれまで、大人に怒られるという経験がほとんどなかったんですが、
バイト先の店長に面と向かって叱られたんです。
一般論とかじゃなく、私を想って叱ってくれる大人に出会ったことが、気持ちの変化のきっかけでした。

店長だけではなく、バイト先で関わった大人の人たちは良い人ばかりで、私の家庭環境のことも心配してくれて。
色々と話を聞いてもらう中でやっと精神的な余裕が生まれて、「母を支えなきゃモード」に戻りました。
 

-今はどのようにとらえている?

あの時、誰か大人に「つらい」って正直に言えていたら、もし父に引き取られていたら、
何か変わっていたのかなあって思うんです。

あと、兄や姉に対して「もうちょっとまめに帰ってきてくれてもよかったのに…」という気持ちも正直あります。

子ども時代を、もっと子どもらしく過ごせていたら、もう少し楽だったのかな、って。
甘えられない子ども時代を過ごしたことで、大人になってから生きづらさを感じることがあります。

まだ当時を肯定できる段階ではない、というのが正直なところです。

大人になった今も、母の様子を見に行っています。
支えることも必要だけれど、離れて暮らすのがちょうどいいと感じています。

-ヤングケアラーへのメッセージ

今の環境が辛くても、大人になったら必ず世界が広がる時が来ます。

もし今の自分の立場を誰かに話すことができなくても、
一緒にいて楽しくなれる人、自分の好きなことや趣味を増やして、
自分を楽にする方法を見つけていってくれたらいいな、と思います。

\オンラインイベント申込受付中/

ヤングケアラー経験のある先輩たちのお話を聞いたり、

今同じような経験をしている仲間での交流ができます。

あなたもちょこっと、話を聞いてみませんか?

\個別相談もOKです!/

イベントの申込や相談はこちらの公式アカウントから!友達登録お願いします