2026.01.22
【vol.16】信頼できる人が一人でもいればいい、誰かに話ができると少し楽になるのかな
ヤングケアラー経験のある”ちょっと先”の先輩の経験談。
ピアサポーターである彼・彼女たちの経験や想いを聞いてみました。
両親と妹、二人の弟と暮らしているケイさんは
高校2年生の頃から、病気の母に代わり家事を担ってきました。
どんな生活をしていたのでしょうか。

ーどんなケアをしていた?
高校2年生の時、母にがんが見つかったことがきっかけで私が家事の多くを担うようになりました。
それまで家のことはほとんど母がしていて、私は少し手伝う程度でしたが、
治療しながら仕事をする母に代わり私が担う家事が増えていきました。
高校生の頃は、朝6:30頃に起きて、7:00のバスに乗って登校、
部活がある日は自宅に帰ってくるのが20:00頃でした。
それから家事をするという生活をしていました。
当時、志望校も決まっていたので勉強はもちろん忙しい時期でしたが、
私は部活の部長も勤めていました。
勉強、部活、家事のバランスをとるのが大変で、必死でしたね。
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その後大学に入ってからは、本格的に平日も炊事などをするようになりました。
現在は母も元気になってきたので、一緒に家事をしていますが、
母の仕事が忙しいため今でも私が家事をしています。
2歳下の弟にも手伝ってもらえるように頼んでいたこともありますが、
自分事と思っていなかったのかなかなかやってくれず、
結局一人でやるようになっていました。
自分がやらなければ母がやるので、母の負担を減らしたいという思いから、
自分がやらないという選択肢はなかったです。
今も家事分担は当時とあまり変わっていませんが、
大学2年生になって少し余裕はできたように思います。
-当時どんな気持ちだった?
母が病気のことを知られたくないようだったので、誰にも話さず一人で抱えていました。
当時友人に「家事をしている」と話したことがあったんですけど、
「やらなきゃいいじゃん」と言われたことがあって、、、
状況を説明していないし、周りに家事をしている人があまりいなかったので
「確かにそういう考えになっちゃうのか…」と思いましたね。
それからは、誰にも相談できずに苦しかったですね。
他の人がやらなくても良いことを自分はやらなきゃいけないというところで、
壁というか孤独感がありました。
「普通ではない家庭」と変に心配されるのも嫌なので、
先生には相談したいと思わなかったです。
勉強もやらなくちゃ、でも家事もやらなければいけない、
という葛藤や焦りがありました。
当時付き合っていた人にだけは相談できていて、その人だけが心の支えになっていました。
その人も高1の時に病気になっていた時期があって、大変さを理解して寄り添ってくれました。
-この先のことについて
2番目の弟が県外の大学を志望していて一人暮らしをする可能性があります。
私も一人暮らしをしたかったけど、私がいないと家庭がまわらなくなるから
宮城県内の大学を選んだのに…というモヤモヤする気持ちがあります。
今通っている大学を出たら家を出たいと思っています。
母や兄弟にもそのことを伝えています。
だからこれからは弟や妹、父にも少しずつできることを増やしてほしいと思っています。
-ヤングケアラーへのメッセージ
誰にも相談できないことが一番つらいのではないかと思います。
信頼できる人が一人いれば違うし、もしかしたら身近な人よりも
全く知らない人の方が聞いてくれるかもしれない。
そういう風に誰かに話が出来れば少し楽になるのかな、と思います。
「言っても仕方ないよな」と諦めの気持ちになっているかもしれませんが、
他の人の話を聞くなかで、「自分も話していいのかな」と思えるのではないかと思います。
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