2026.03.25
【vol.18】祖父の介護、実家へ戻り家族を支えた夏休み
ヤングケアラー経験のある”ちょっと先”の先輩の経験談。
ピアサポーターである彼・彼女たちの経験や想いを聞いてみました。
大学進学を機に、福島を出て仙台で暮らしていたわかなさんは
大学3年生の夏休み、地元に戻って同居の祖母・叔母と共に祖父の介護をしました。
どんな経験をしたのでしょうか。

ーどんなケアをしていた?
大学3年生の夏休み、末期がんを患い延命治療を望まない祖父のため、
仙台から福島の実家へ戻り介護を担いました。
主なケアは食事介助やオムツ交換、身体拭き、シーツ交換などです。
祖父は、私が小さい頃にすごく面倒を見てくれました。
私の家は両親が二人とも共働きで、祖父母の家が自宅から近かったこともあり、
食事を祖父母と一緒に食べることも多かったんです。
幼稚園の送迎も、私が友達に怪我をさせてしまった時の謝罪も
祖父がしてくれました。すごく元気で、よく食べる人でしたね。
そんな祖父が、6月にがんがみつかり、そこから散歩ができなくなり食事の量も減りました。
夏休みに入って、父から
「延命治療を本人が嫌がっていて、あと3カ月くらいかな。
それまで来てもらえないか」と言われて、
夏休み期間だけですが実家に帰ることになりました。
*********************
朝は9時ごろに起きて実家から祖父宅に移動し、
食事やオムツ交換などの祖父のケアをしたあと、
夜は実家に帰るというスケジュールでした。
ただ、後半は、深夜も祖父の呼吸等が気になるので、
泊まることも増えていきました。
夜に痰がたまる音が聞こえて、苦しくないかなって心配したり。
せん妄で時間関係なく、ボタンで呼ばれたり私の名前を読んだり。
あんなに話すことが大好きな人だったのに、
目がうつろになって話もできなくなっていったり。
もう介護の後半はずっと十分眠れてませんでしたね。
状態が悪化してからは吸引器での痰の吸引も行いました。
最期は、叔母と協力しながら、深夜も祖父の呼吸を気にかけ、
15分おきに見守る日々。
当時は「これが自分の使命だ」という強い思いで向き合っていましたが、
大好きだった祖父が衰えていく姿を見るのは苦痛でした。
-当時の気持ちは?
最初は、「おじいちゃんに恩返しをしよう」
「大学で勉強したことを生かそう」と前向きでした!
「100歳まで生きる、生きて生きて!」という気持ち。
病院実習後だったのもあり「これが私の使命だ」と。
ただ、そんな気持ちが、、、徐々につらくなっていき、
最終的には死への恐怖から祖父宅へ行くのが怖くなることもありました。
一時的に仙台に戻っていても、「おじいちゃん大丈夫かな」という
気持ちがなくならず、友達と旅行の予定もありましたが無しにしてもらいました。
とにかくメンタルがやばかったですね。
体調もよくなく、この間はずっと気持ち悪い感じでした。
また、私自身が強がりなのもあって、
「自分が弱音を吐いて家族の空気を壊してはいけない」と
一人で抱え込み、爆音で音楽を聴いたり紙に気持ちを書き殴ったりして、
なんとか自分を保つ精神状態でした。
大学にも相談できるところはありましたが、
夏休みということで開いていなかったんです。
誰かには話したかったのですが、友達も夏休みだし、
お姉ちゃんもお兄ちゃんも仕事をしているしで、
誰にも話せませんでした。
もし、あの時、このピアサポート活動のことを知っていれば
相談できていたかもしれません。
-今はどのようにとらえている?
この経験を通じ、ヤングケアラーの世界は
「我慢と不満」に満ちていると実感しました。
周りの大人は「無理しないで」と言うと思うんですが、
それでも、そう言われてもやらざるを得ない状況って
あると思います。
私がそうだったから。
だからこそ、変に褒められたり同情されたりするのではなく、
辛さをそのまま理解し、受け止めてくれる場所が
必要なんじゃないかと思います。
-ヤングケアラーへのメッセージ
状況は一人ひとり違うので、私の経験が他の似た経験をしている人にも
当てはまるとは限らないと思います。
けれど、もしつらく思っているなら、誰でもいいから
信頼できる大人に勇気を出して話してみてほしいです。
話すことで、サポートしてくれる団体や支援に繋がることができます。
精神的にも楽になります!
話しても状況を変えるのは難しいかもしれないけれど、誰かに話すことで、
あなたの現在と未来が少しでも変わる可能性があると思っています。
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