2014.01.30 活動報告
「夢を描くワークショップ」③
1月25日、夢を描くワークショップの最終回が行われました。
この日は場所を山元町に移しての授業でした。
午前は、山元町立山下中学校の校舎をお借りして、ドリームツリーを仕上げます。
前回までの簡単な振り返りが終わると、
社会人の方のお話から始まります。
来てくださったのは、塩釜市で高齢者向け配食サービスを提供する、「愛さんさん宅食」の小尾勝吉さん。
過去の経験を踏まえて現在の職に至る社会人の生の声を子どもたちに届けようという目的で今回GRAの方が呼んでくださいました。
小尾さんは中学時代での体験を踏まえ高校時代での過ごし方を変えたらとても楽しくなったというお話や、現在の仕事を選んだ道のりやこれからの目標をお話しくださいました。
これから大きくなっていく子どもたちに向けて、力強いメッセージをいただきました。
子どもたちもこのお話に感動した様子。
自分もこんな毎日が楽しくて素晴らしい人生を歩みたい、そう思ってもらえたのではないかと思います。
小尾さんのお話が終わると、ワークシートに取り組みます。
夢のスガタ、夢のハート。
夢のスガタは、将来の自分はどんな職業に就いていて、どんな場所で働いて、どんな人が周りにいるのかを想像して書きます。
夢のハートは、将来の仕事を通じて、世の中にどんな影響を与えたいかを書きます。
ハートには、「みんなを笑顔にしたい、幸せにしたい」という子どもたちの願いが多かったです。
次に、ワークを踏まえてドリームツリーを描きます。
この日描くのは、仕上げの枝・葉の部分。
これは4つの区分に分かれていて、
自分の欲しいもの・やりたいこと、みんなのためにしたいこと、理想の自分、理想の社会です。
職業を通して誰かを笑顔にする、幸せにするための具体的な道筋を書き込む子どもたち。
どんな大人になりたいのか、どんな社会にしたいのか。
想像を膨らませる子どもたちの笑顔が輝きを増します。
ドリームツリーが完成すると、今度は夢を実現するためのステップを書くワークをやりました。
何歳までに夢を叶える。そのために高校や専門学校で勉強することや、いつどんな資格を取るのか等を書きました。
最後に、自分との約束を取り決めます。
夢を夢で終わらせないために、明日から自分がやっていくことをカードに書いて宣言します。
「毎日、本を読む」「(サッカーの)リフティングを100回できるように練習する」など。
思い思いの約束を書き込んでいました。
これでプログラムは終了。
参加した子どもたちには修了証が渡されました。
GRAの方が作ってくださったもので、修了証にはカードを貼り付けられるようになっていました。
今回描いた夢は、きっと叶うと信じ、これからの将来に向かっていってほしいですね。
午前の部は終了し、お弁当を食べて、次は待望の農場見学です。
GRAの農場では最先端の技術を取り入れ、イチゴやトマトなどを栽培しています。
日本に数台しかないという機械を使っての栽培の様子も見学させていただきました。
一日目に食べたあの一粒1000円のイチゴは、こうやって育てられているのかと感銘を受けました。
見学が終わると、イチゴ狩りをさせていただきました。
普段イチゴ狩りはやっておらず、今回アスイクの子どもたちのために特別に、とのことでした。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
イチゴは大粒でとても甘く、本当においしかったです。
子どもたちも夢中になってイチゴを摘んでいました。
お弁当を食べたばかりだったので、イチゴを食べすぎてお腹いっぱいの子どもたち。
それでも食べ続ける食欲には驚きました。
その後、トマトの試食もさせていただきました。
従来の栽培方法で栽培したトマトと、特別な方法で栽培した高糖度トマトの食べ比べをしました。
高糖度トマトはその名の通りとても甘く、トマトが嫌いな人でも食べられるのではないかというくらいでした。
そして一時間半の見学を終え、帰路につきました。
プログラムを設計している当初は、子どもたちは恥ずかしがって自分の夢を描けないのではないかという不安がありましたが、全くそんなことはありませんでした。
実は打ち合わせの段階で、「人が書いたことを否定しない」という暗黙のルールがありました。
しかしそのルールが表に出ること、つまりそのことで参加者を注意するということはありませんでした。
誰にも否定されず、ここでは自由に夢を語れる。
そんな場所が子どもたちにとっては伸び伸びとでき、前向きに将来のことを考えることができたのかなと思います。
子どもたちの、将来を見つめるその姿はとても輝いていました。
プログラムが進むにつれてその輝きは増していき、夢を叶えるという強い意志が感じられました。
早速、参加した子どもたちの行動にも変化が表れています。
プログラムに参加した子どもたちにノートがプレゼントされたのですが、
ある子どもがアスイクの教室に来たときに、ノートに自分との約束を書いて持ってきたそうです。
将来が本当に楽しみです。ぜひ、目標達成のために継続してもらいたいですね!
今回、参加してくれた子どもたちの心に植えられた種は、どんな光で育つのでしょう。
これから先、誰かの言葉やたくさんの出会いが心に水をやり、ゆっくりと時間をかけて大きな樹になっていくのがとても楽しみです。
そしてどんなに辛いことや悲しいことがあっても、アンジェラさんのエピソードや小尾さんのお話などを思い出して、夢に向かって諦めずに頑張ってほしいと思います。
これからも、彼らの夢を応援していきたいです。
(インターン 辻)