2016.08.12 活動報告
美術部~岩沼教室ミニイベント開催!~
こんにちは、岩沼市学習支援コーディネーターの鈴木です。
こちら宮城は梅雨も明け、空はすっかりすがすがしい夏色に模様替えしています。
…と、表現してみると聞こえは良いのですが、とにかく暑い!
子どもたちのなかにも汗だくで教室に来る生徒が増えています。
そんなうだるような暑さの7月30日土曜日、岩沼教室では、
夏休み中の子どもたちを連れて教室外でのイベントに参加してきました。
その名も…
「美術部~アートでつくる、わたしの服~」
今回お世話になったのは、岩沼市で住宅・生活再建やコミュニティ形成をはじめとする様々な支援を行っていらっしゃる、JOCA(青年海外協力協会)の皆様。
JOCAの皆様がコミュニティ形成の一環として始められた「美術部」の、栄えある第一回目にお邪魔して、アート活動に取り組んでまいりました。
参加者は、中学生2人、小学生4人、スタッフ2人の総勢8人です。
以前までのミニイベントとは指向を変え、外部でのワークショップ形式の活動でしたが、全体を通して非常に多くの子どもたちの笑顔が見られました。
さて、「アートでつくる」と題しているこのイベントですが、内容は非常に自由です。
JOCAの方がご用意くださった採寸・型づくり用の白い服をキャンバスとして、縫ったり、布を貼ったり、着色したりと、各々が気の赴くままに自分だけの服を作っていきます。
まず、キャンバスにする服を選んだら、材料を見ながらどんなふうに加工していくかを考えます。
しかしながら「自由」の扱いとはなかなか難しいもの。
皆かなり頭をひねって考えています。
イメージが出来たら作業開始です。
自分で持ち寄った材料や、ご用意いただいていた素材を張り付けていきます。
そして2時間ほど作業をしたら…
完成!!
まさにオンリーワンの「わたしだけの」服の出来上がりです。それぞれが自分の出来栄えに満足しながら、意気揚々と試着をしていました。
その後は、JOCAの皆様と一緒にお弁当を食べて解散となりました。
今回は、それぞれが創意工夫を凝らしながら、自発的に創作してくれていましたが、
その中でも特に目を引いたのは小学生の女の子のBさんです。
いつもは周囲のお友達に合わせがちなBさんですが、この日は最初から最後まで「自分の意思」を見せていました。
自分一人の場所を作って、
「ここに貼り付けたい!」
「ここをもっとかわいくしたい!」
と、一生懸命に自分の考えをスタッフに伝えてくれていたのです。
自分と向き合って、「自分がどうしたいか」を考えるのは、意外と難しいことのように思います。そして、それを他人に伝えることは、自信がなくては出来ません。
普段の教室では、子どもたちにはスタッフやお友達と一緒にお話をしながら勉強をして過ごしてもらっています。
そのような空間は、子どもにとって楽しいものであるかもしれませんが、同時に他人と自分を比べてしまう機会も多くなります。
そんな時には、「自分はじぶんで他人はひと」と伝えるように心がけています。
子どもたちが暮らす環境のなかでも、他者と自分を比べる「相対評価」がどうしても多くなってしまいます。
しかし、その中で戦うには自分の中の「絶対評価」から得た自信がなくてはならないように思います。
Bさんをはじめとする参加してくれた子どもたちにとって、このイベントが「わたしだけの」評価を得るための一つの機会になったのなら、何よりも嬉しく思います。
(鈴木篤)