子どもや働く仲間を尊重する森川。
事業立ち上げや採用を通して大切にしてきた軸とは
- 名前 森川ゆとり
- 所属 ヤングケアラーユニット ユニットリーダー
- 略歴 人材業界、地域活性のベンチャー企業を経て2022年アスイク入職
学習・生活支援事業コーディネーター(2年)
ヤングケアラー支援事業 ユニットリーダー(現在5年目)
アスイクに関わるきっかけ
前職では地域活性の仕事をしており、移住定住の支援や地域の魅力探しに携わっていました。
もともと「一人ひとりがのびのび輝ける社会にしたい」という思いがあり、やりがいや楽しさを感じていました。
一方で、そこで関わる方々はすでに自分の軸を持ち、一歩踏み出そうとしている状態でした。
そうした姿を見るうちに、やりたいことを「やりたい」と当たり前に言えることは、意外と難しいよなと思って。
もっと前の段階の、心の土台となる部分に関わりたいという気持ちが大きくなっていったんです。
私自身、学生時代に好きなことを学んでいたものの、いざ就活となったときに「社会でどう活かせばいいのか」という壁にぶつかった経験があります。
だからこそ、社会に出る前の子どもたちに関わってみたいなと思うようになりました。
最初は転職ではなくボランティアを探していたのですが、参加したアスイクの10周年シンポジウムが転機になりました。
子どもの現状や保護者の方々の生の声に触れ、「自分がやりたいのはこういうことかもしれない」と感じたのを覚えています。
アスイクでの仕事
現在はヤングケアラー支援事業を中心に、採用の仕事にも携わっています。
ヤングケアラー支援事業では、自治体と協働し、ヤングケアラーの早期発見や支援体制の構築を推進中です。
オンラインサロンの企画運営やSNS相談、関係機関向けの研修会や学校での調査・啓発活動など多角的にアプローチしながら、地域全体で支えるネットワークづくりに取り組んでいます。
あわせて担当している採用業務では、前職で人事・採用を経験していたこともあり、面談などを通じて様々な方の価値観に触れられること自体、面白いなと思っています。
組織のなかでどうしたら人がのびのび働けるかを考えるのも、個人的には関心のあるテーマです。
また、ヤングケアラーユニットは今年から5人体制になり、事業がすこしずつ拡大しています。
個性的なメンバーで、経験や強みはそれぞれ違いますが、だからこそ、いろんな視点を持ち寄れるのがこのチームの魅力だと思います。
チーム内でちょっとした違和感や意見を素直に出し合える関係性を、これからも大切にしていきたいですね。

仕事への思い
私が仕事をするうえで大切にしているのは、「必要だと信じることなら、やると決めて、動く」ということです。
できないから立ち止まるのではなく、「どうしたらできるか」を考えて、やる。ただ、それだけです。
入職して1~2ヶ月の頃、ヤングケアラー支援事業の立ち上げに手を挙げた際も、そんな思いでした。
現場に出ると、子どもの置かれている環境への理解の深さが、まだまだ足りないなと感じていました。
でも、前職でのプロジェクト推進の経験は活かせると思ったし、実践の中で専門性も高められるなら、やるしかないな、と。
とはいえ専門知識は手探りだったため、本で知識を得たり、ソーシャルワーカーに相談したりしながら模索を続けました。
子どもや保護者を前にして、「自分ができないから」と萎縮したくはなかったんです。
事業立ち上げ当初のミーティングは、私以外がほぼワーカーと各事業のリーダーという状況でしたが(笑)、知識も経験も足りないのはわかっていたので、全国の支援事例やオンラインサロンの取り組みなどをひたすら調べて会議に臨んでいましたね。
自分に何ができて、何が足りないかを自覚する。その上で、必要な人にも頼り、「どうしたらできるか」を積み重ねる。
それが、仕事に対して誠実であることだと思っています。
印象に残っているエピソード
特定のエピソードを一つにしぼるのは難しくて、出会ってきた子どもたち一人ひとりの表情や場面が、鮮明に心に残っています。
イベントでおかわりをしたときの嬉しそうな顔や、普段マスクをしている子がふとはにかんだ笑顔など、そういう瞬間をよく覚えています。
印象深いのは、オンラインサロンで子どもがおすすめの漫画を教えてくれたときのことですね。
実際に読んでみると本当に素敵な作品で。私たちが関わっているのは、その子の日常のほんの一部でしかなくて 、「支援の場」を一歩離れたところでも、子どもたちはこうして自分の好きな世界を持ち、たくましく生きているんだよなと、改めて思うことがありました。
相手の経験を100%理解することはできないし、一つしてあげたら一つ戻ってくるような単純な関係ではありませんが、「関わらせてくれてありがとう」という感覚で、一瞬一瞬が大切だなと思います。
子どもたちの小さな表情や純粋な想いに、私自身のほうがいつも力をもらっています。

これからのビジョン
今は、自分の目の前にある役割を一つひとつ丁寧に全うしていきたいです。
「アスイク」という器や「ヤングケアラー支援」という事業があるからこそ、出会える子どもたちがいる。だから、組織も事業も続いていくことが大事だと思っています。
私自身、「優しい世界であってほしい」と本気で願っているんです。
”不登校”や”ヤングケアラー”といったラベルだけで相手を分かったつもりにならず、その人にしか知らない過去や、続いていく未来があることに、お互いが想像力を持ち続けられる社会であってほしい。
だからこそ、ヤングケアラー支援を通して出会えた子どもたちの声を丁寧に拾い上げ、行政や社会へ届けていきたいです。
啓発活動も、人が「他者を理解するための種」を持ち帰る機会につながると思っています。
そして採用の立場からは、アスイクという組織がこの先も残り続けるようにしたいですね。
多様な背景や価値観を持つ仲間が集まり、自分らしく働ける環境を守ることが、巡り巡ってこれから出会う子どもたちにも循環していくと信じています。

アスイクの仲間になる方へのメッセージ
アスイクは、「その人の人生そのもので向き合える仕事」ができる場所だと感じています。
特別な支援スキルや資格の有無だけでなく、これまで歩んできた人生や大切にしてきた価値観そのものが活きる仕事です。
多様なスタッフがいるからこそ、子どもにとって「こんな大人もいるんだ」と思えるヒントになると思います。
これまで大切にしてきた思いを、ぜひアスイクでシェアしてもらえたら嬉しいですね。
